けむさん、論文のご紹介をありがとうございました。
この論文は脳腫瘍の世界ではかなり話題になりました。もともと、グリオーマの細胞は浸潤性が高くて、脳内をどんどん這うように浸潤していき、脳内の正常細胞とも多くの接触を持つので、様々なインタラクションをしていることは容易に想像ができました。しかし、ここまでしっかりとしたシナプス形成をしていたり、細胞増殖にもプラスに働いているというのは驚きでした。グリオーマの抵抗性を解く鍵の一つだと思っています。
神経とがんの関係というのは、これからかなり注目されていくのだろうなと思っています。神経系は脳内にかかわらず全身での広範なネットワークがありますので、がんとの様々なインタラクションが他にもあると思われます。また、消化器と神経系にも密接なネットワークがあって、腸内細菌叢ー神経ーがんという関係でも注目をされてきています。最近、米国でも研究が増えているなと感じています。