光線力学療法の可能性

光線力学療法の可能性

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      okazaki yoshihisa
      ゲスト

      Journal of Personalized Medicine

      『Experience with Photodynamic Therapy Using Indocyanine Green Liposomes for Refractory Cancer』

      (論文紹介)
      今回、萬先生のグループ(名古屋セレンクリニック前院長・小林正学先生含む)は、インドシアニングリーンを腫瘍親和性のある光感受性物質とし脂質膜で内包し静脈投与し、マルチレーザーデリバリーシステム( MLDS)というレーザー光線デリバリーシステムを使って、2人のガン患者様の治療を試みました。シイタケ菌糸体抽出物配合顆粒(LEM)と水素ガス吸入療法も併用しました。

      (1例)中部食道癌患者(stage II (T1bN0M0))他院で放射線治療後に受診
      ICG-liposomesを静脈内投与し、内視鏡下にMLDSレーザーシステムで810nm波長光を患部に直接照射しました。治療後、内視鏡的にも腫瘍の消失を認め、患部からの生検検査でも腫瘍の残存は指摘されませんでした。

      (2例)下咽頭癌患者、他院で化学療法・放射線治療後に受診
      ICG-liposomesを静脈内投与した後、血管内治療下にMLDSレーザーシステムで 635 nmと810nm波長光を患部に40分間照射しました。これを、1月おきに、更に3回繰り返しました。治療開始から4月後、肉眼的・CT的にもにも腫瘍の著名な縮小を認めました。

      (メカニズム)
      投与インドシアニングリーンが腫瘍に集積⇒照射レーザー光により腫瘍細胞に免疫学的細胞死誘導⇒腫瘍抗原を吐き出し⇒抗原提示細胞に取り込み⇒殺腫瘍性T細胞を刺激⇒腫瘍破壊の連鎖が体内で起こったのではと考察しています。加えて、シイタケ菌糸体抽出物配合顆粒が免疫抑制性細胞を抑制し、水素ガス吸入が、細胞障害性細胞の活性化をサポートするといった、効果が上乗せされたのではないかと考察いています。

      (結論)
      化学療法・放射線療法などの標準治療後に、光線力学療法・シイタケ菌糸体抽出物・水素ガス吸入療法といった、集学的治療を加える治療法は有望かもしれないと感じました。

      (注)
      1:インドシアニングリーン=肝機能検査・循環器能検査・センチネルリンパ節検査・血流検査に使われる試薬です。

      2:光線力学的療法(Photodynamic Therapy:PDT)とは、腫瘍親和性のある光感受性物質(PDTに使用する薬剤)を投与した後、腫瘍組織にレーザ光を照射することにより光化学反応を引き起こし、腫瘍組織を変性壊死させる選択的治療法です。
      3:マルチレーザーデリバリーシステム( MLDS)=開発されたレーザーデリバリーシステムです

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