興味深い報告をありがとうございました。いくつかのゲノムの研究で、転移巣由来転移がかなりあることは以前から示されていて、原発から出ることができたものはより転移しやすいフェノタイプ(Mesenchymal typeやStem cell type)になっていて、転移の源になりやすいと言われています。
また、私も論文を出していますが、繰り返し放射線治療など治療ストレスを受けると、腫瘍細胞はMesenchymal typeやStem cell typeになっていく(Osuka S, J Clin Invest, 2021)というのも確認されるところです。
この辺りの変化には、Geneticなもののみでなく、Epigeneticなもの、EMTのような分子レベルの変化が関わっていると言われていて、これは腫瘍によるのかなと感じています。この3つのものは変化に必要な時間空間的な要素が変わるので、そのどれをうまく使うかが腫瘍によって変わると思っています。Geneticな変化は入ってから、全てのクローンがそれに置き換わるのに結構時間がかかって、私が専門にするGBMでは再発ではあまり大事でなくて、最も変化が早いEMT様の変化が重要なのではと感じています。
面白い報告をありがとうございました。